近年の人工知能(AI)の進歩は目覚ましいものがあります。
囲碁や将棋などのルールが決まっているゲームでは、世界一の名人でもAIに勝てなくなってきています。
特定の分野では、AIは既に人の能力を超えるところまで来ました。
つまり、『人』が『AI』から学ぶ時代に突入したということです。
将棋界や囲碁界では、AIをどのように活用しているのでしょうか。
将棋AI「PONANZA」
将棋のAIで有名なのは「PONANZA(ポナンザ)」です。
2013年にプロ棋士の佐藤慎一四段(当時)を破り、コンピュータが初めてプロ棋士に勝利した。
2017年には佐藤天彦名人(当時)に2連勝し、タイトルフォルダーのトップ棋士にも勝利したことは翁話題となりました。
羽生善治九段は将棋界のAIの活用について次のようなコメントをしています。
今後の将棋界では、いかにAIから棋士が学習するか、AIに自分の才能や能力を引き出させるかが重要になっていくでしょう。その方法はまだ誰も確立していないので、5〜10年かけて見つけていくことになるのですが、おそらく若い世代の人たちのほうが見つけやすいでしょうね。将棋ソフトだけで対局を積み重ねているような子供たちも増えていますし、AIがあるのが当たり前という世代こそが、将棋のさらなる進化を担っていくことになると思います。
将棋界はAIから将棋を学ぶ時代に突入しています。
囲碁AI「Alpha Go」
囲碁は10の360乗通り手順があると言われており、コンピュータが人間に勝つのが難しいと言われていた。
Google DeepMind社が開発した囲碁のAIの(アルファ碁)は2015年10月にはプロ棋士に勝利し、大きな話題となった。
2017年5月には人類最強棋士の柯潔に3戦全勝の快挙を達成した。AlphaGOは既に人間よりも強くなっていると言っても過言ではないだろう。
2017年10月には棋譜を学習データとして使用せず、自己対局によって強化学習をする「AlphaGo Zero」が発表された。AlphaGo Zeroは40日の学習でAlphaGOの強さを超える強さとなった。
AlphaGOは今までの常識では考えられない様は手を数多く打ち出している。このような手は各国のプロ棋士によってマネされて、新しい布石・定石となっており、囲碁界に革命を起こしている。
囲碁界でもAIから学ぶことが当たり前になっているようです。
一方で、韓国の世界トップ棋士の一人であるイ・セドル氏が2019年11月に「AIは倒せない存在だ」とし、永遠にトップになれないことから引退を決意しました。
AIの進化により囲碁界も大きな変化の波が訪れているのは間違いなさそうです。
Alpha Zeroの衝撃
2017年12月にはAlphaGO Zeroが汎用された「Alpha Zero」が発表された。
Alpha Zeroは囲碁だけでなく、他のゲーム(チェスや将棋)も行えるAIです。
2時間の学習で最強の将棋AIに勝利しました。さらに、4時間で最強のチェスAIに、8時間で2016年版のAlphaGOに勝つことができました。
近年のAIの急激な進歩を示した出来事と言ってもよいのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
将棋や囲碁のようなルールが明確に決まっていることに関しては、AIの能力は人を超えています。
これからはAIが得なことはAIにまかせ、人間が得意なことは人間がやる。AIと人間が役割分担をする社会になっていきます。
時にはAIから学ぶことを受け入れることも、これからの時代を生き抜くために必要なのかもしれません。