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業務改善はトレードオンを目指せ!

「トレードオン」とは何か?

トレードオンを理解するには、反対の意味のトレードオフを理解すると分かりやすいと思います。

トレードオフは「片方を立てるともう片方が立たなくなる状態、関係」のことです。

次のような関係トレードオフの関係です。

  • 品質を上げると価格が高くなる
  • 利益を追求すると環境に負担をかける
  • 株主の利益のための経営は従業員には不利益となる

トレードオンだと次のようになります。

  • 品質を上げると価格も下げる
  • 利益を追求し、環境にも優しい
  • 株主と従業員の利益のため

トレードオンとは「対立して両立が難しい2つ以上の関係を、新たな価値を生み出すことで両立させること。」と言えるでしょう。

なぜ「トレードオン」が必要なのか

業務改善するにはトレードオフではなくトレードオンでなければいけないのか?

ビジネスでは「トレードオフで失った部分がボルトネック」となってしまいます。ボルトネック(制約)の詳細は次の記事を参考にして下さい。

仕事の生産性が劇的に向上するTOCの5段階集中プロセス(制約理論)

一時的には一面では問題を解決したように見えても、ボルトネックが発生しているため別の問題が発生することになります。

製造業の現場で「品質」と「生産性」のトレードオフの関係はよく発生します。

顧客に納入している製品で問題が発生しクレームになると、対策を顧客へ報告することになります。この時はほとんどの場合は「品質」を優先し「生産性」を犠牲にする対策を取ることが多いです。不良品が流出しないように検査を強化したり、製造を慎重に行うために製造のサイクルタイムが伸びてしまうことがあります。短期的には問題が解決したかのように見えますが、利益が減ってしまうため対策を続けるのが難しくなります。

逆のケースを考えてみましょう。企業は利益を増やすために「生産性」を向上させることを目標に活動しています。「生産性」を向上させることを考えるあまり「品質」の低下を招いてしまうこともあります。一時的には利益が増えるかもしれませんが、クレーム発生のリスクが増えるため長続きしません。

このような状況を打破するには「トレードオン」の改善策を行うしかありません。

「トレードオン」の改善策を考える

製造業の現場で「品質」と「生産性」を例に「トレードオン」の改善策を考えてみましょう。

トレードオフの場合

クレームの対策で、不良品を流出しないように検査を強化することを考えてみます。

「1回の検査で流出したため、検査を2回するようにする」とか「検査でモレが少なくなるように、より手間をかけて検査をする」という対策になることがあります。これは完全にトレードオフの関係でで「品質」を確保するために「生産性」を犠牲にしています。

「生産性の悪化により現場は疲弊する」→「対策を続けることも困難になる」→「いつのまにか対策をやらなくなり」→「クレームが再発」

という最悪のストーリーも考えられます。

トレードオンの場合

それでは、トレードオンの改善策としてはどのようなことが考えられるでしょうか?

「人が行っていた検査を、機械で自動で行えるようにする」という対策はどうでしょうか。ヒューマンエラーも防ぐことができ「品質」は向上し、自動で検査ができるため「生産性」も向上します。もちろん、費用対効果を考えなければいけないでしょうが、導入費用が安く抑えられるならトレードオンになることができます。

「トレードオン」を考える時はトレードオフに見える2つの軸を直行させたマトリックスを書いてみることは効果的です。今回の例なら例えば横軸に「品質」、縦軸に「生産性」を取ります。どちらも向上させる案をブレインストーミングをしてマトリックス上に書いてみると思いつきやすくなります。

 

品質と生産性のトレードオン1

トレードオンの改善は今までの常識に囚われていてはできません。トレードオンの解決策が必ずあると考え非常識でもアイディアをどんどん出しましょう。

日頃から問題を解決するにはどうすればよいかを常に考えることも大切です。問題を意識していれば、解決するための情報にアンテナを立てることができます。思わぬタイミングでトレードオンの改善策が見つかることもあります。

まとめ

業務改善をするための大切な考え方である「トレードオン」を紹介しました。

ある一面を犠牲にした対策や改善策は、犠牲にしたことがボルトネックとなるため将来の問題となってしまいます。

業務改善をする時は常に「トレードオン」を意識しましょう。