IFS系関数で判定・集計作業をさらに自動化する
前回はIF系関数を紹介しました。IF系関数を使うと判定や・集計作業を自動化できます。
今回はIF系関数の応用編でIFS系の関数を紹介します。紹介するのは次の3つです。
- IFS関数
- COUNTIFS関数
- SUMIFS関数
IF系関数はこちらで使い方を紹介しています。
IF系関数は、判定に使用する条件を1つしか指定できませんでしたが、IFS系関数では複数の条件を指定することができます。IFS系関数を使用すると複雑な判定や集計もできるようになります。
IFS関数
IFS関数の概要
IFS関数は入力された値を複数の論理式でどれに当てはまるか判定し、判定結果により表示内容を変えることができます。
IFS関数の文法は次のようになります。
対応しているエクセルのバージョン:「2016」,「2019」,「365」
条件判定は引数の前の方から順番に行います。先に判定が必要な論理式は前に書く必要があります。
論理式は、演算子などを使用して条件を設定します。セル「A1」の条件を判定する時の論理式の例をいくつか見てみましょう。
論理式 | 演算子の意味 | 論理式の意味 |
A1 = 3 | 等しい | A1の値が3である |
A1 <> 3 | 等しくない | A1の値が3以外 |
A1 > 3 | より大きい | A1の値が3より大きい |
A1 >= 3 | 以上 | A1の値が3以上 |
A1 < 3 | より小さい | A1の値が3より小さい |
A1 <=3 | 以下 | A1の値が3以下 |
※赤字が演算子
例えば、論理式を「AI = 3」とした場合は、A1のセルに「3」が入力された場合は「真の場合の表示」に設定した内容が表示されます。それ以外の場合は「偽の場合の表示」に設定した内容が表示されます。
IFS関数の使用例
IF関数を使用して、テストの結果から「優」「良」「可」「不可」を自動で判定することを考えてみましょう。
判定条件は80点以上なら「優」、70点以上なら「良」、50点以上なら「可」、それ以外なら「不可」とします。
赤字で囲んだ部分にIFS関数が入力されています。一番上のD2のセルの式は次のようになります。
COUNTIFS関数
COUNTIFSの概要
COUNTIFS関数は指定した複数の条件を満たしたデータの数を表示する関数です。
COUNTIFS関数の文法は次のようになります。
条件式は、色々な指定の仕方ができます。
- カウントしたいデータ値
- 条件式
- ワイルドカード
ワイルド―カードは次のように使うことができます。。
記号 | 意味 | 使用例 |
* (アスタリスク) |
1文字以上の任意の文字列 | A* : 「A」で始まる文字列 *A* : 「A」を含む文字列 *A : 「A」で終わる文字列 |
? (疑問符) |
任意の1文字 | A? : 「A」で始まる2文字 ?A? : 「A」を含む3文字 ?A : 「A」で終わる2文字 |
COUNTIFS関数の使用例
COUNTIFS関数を使用して、セミナー参加者の性別や年齢層を分析してみましょう。
COUNTIF関数では性別と年齢層を別々にしか集計できませんでしたが、COUNTIFS関数を使えば、性別と年齢層の両者の条件に一致した参加者をカウントすることができます。
セミナー参加者の10の名簿から参加者の属性を分析します。
「男性」かつ「10代」の参加者の人数を抽出する方法を考えていきます。
性別はC列なので、この中で「男性」という条件を設定します。
年齢はD列から年代の集計が必要となります。こちらは少し分かりにくいので詳しく解説します。
SUMIFS関数
SUMIFSの概要
SUMIFS関数は指定した複数の条件を満たす値のみを合計することができる関数です。
SUMIFS関数の文法は次のようになります。
「範囲」は、条件判定を行うセルの範囲を指定します。
「検索条件」はCOUNTIFSと同様に色々な指定の仕方ができます。
- 条件のデータ値
- 条件式
- ワイルドカード
SUMIFS関数の使用例
店舗とECサイトで食料品と日用品を販売をしていて、売上データがひとつのデータとしてまとまっているとします。
店舗とECサイトで食料品と日用品の売上の合計を算出してみましょう。
B列が販売元の「店舗」と「EC」が情報がある列です。C列が製品カテゴリで「食料品」と「日用品」の情報がある列です。
G2のセルにSUMIFS関数を使って「店舗」で「食料品」が売れた金額を合計を出していますので、実際の式を見てみましょう。
まとめ
今回はエクセルで使えると便利なIFS系関数を紹介しました。
IFS系関数はIF系関数を応用した関数と言えるため、まずはIF関数を理解しましましょう。
その上で、IFS系を使用すると理解が深まります。
IFS系関数はIF系関数よりさらに便利な関数ですので、ぜひ使い方をマスターしましょう。