人工知能(AI)の利用用途
AIは近年の急速な発達により、あらゆる場面で利用されるようになってきました。
身近なところでば、スマートフォンの「Siri」「Google Assistant」、スマートスピーカーの「Alexa」などが有名じゃないでしょうか。
他にも、Webサービス、各種アプリなどでもAIの技術は多く利用されています。
しかし、自分の仕事やビジネスへどのように活用すればよいか分からないという方は多いと思います。
人工知能(AI)の3つの役割
AIには大きく分けて3つの役割があります。
- 認識(インプット)
- 分析(処理)
- 対処(アウトプット)
ビジネスの現場では、これら3つの役割の全てをAIが実施することもありますし、1つか2つの役割をAIが行い残りは人が行うこともあります。
ビジネスでの活用には、もっとも「費用 対 効果」が大きな方法を採用しましょう。
認識(インプット)の利用用途の具体例
認識は、現実世界の情報をコンピューターが認識できる情報に変換する処理になります。AIが認識するデータとしては「文書」、「センサーから取り込んだデータ」、「画像データ」などがあります。
画像認識
画像認識は、近年急速に発展した分野の1つです。
顔認識
画像認識の分野の中でも、多くの研究がされているのが人の顔の認識です。人の顔が認識ができるようになることで次の用途で利用することができます。
- 顔認証によるセキュリティの強化(空港、オフィスへの入場・スマホやパソコンへのログイン)
- 顔認証による個人の識別の自動化(施設への入退場の自動化、決裁の自動化)
- 店舗に訪問した顧客データ(性別・年齢など)の自動取得
監視業務
人工知能による監視カメラの映像のリアルタイム監視の利用が進んでいます。不審者、犯罪者、交通違反者などの自動検知にも応用が進んでいます。
医療診断
医療現場では、レントゲン、内視鏡、CTなどで撮影した画像から病気やその前兆を判断する業務が多くあります。画像からガンや悪性のポリープ
外観検査
製造業では製品の外観品質の検査を1つずつ人が見て検査をしている事が多いです。工業製品から農作物まで幅広い分野でAIを活用した外観検査が行われています。
画像の整理
Web上には多くの画像があります。AIならばそれらの画像の識別を自動で行うことも可能です。
- 画像へのタグ付け
- ECサイトなどの規約違反画像の自動検出
などに利用されています。
これら以外でも、画像認識での利用用途はこちらで詳しく紹介していますので参考にして下さい。
音声認識
画像認識と同様に活用が進んでいるAIの技術として音声認識があります。音声認識は人の話を聞くことが必要な業務への利用が進んでいます。
アシスタントAI
冒頭で例を出した、スマートフォンの「Siri」「Google Assistant」、スマートスピーカーの「Alexa」などは音声認識技術のもっとも有名な利用用途ではないでしょうか。
アシスタントAIでは話しかけた音声を認識し、デバイスやアプリの起動や情報の検索などを行っています。
議事録の自動作成
音声を認識することができれば、打合せや会議の議事録を自動で作成することができます。高度なものでは話し手の識別も可能なものもあります。
2020年1月にリリースされた議事録サービス「AI GIJIROKU」も紹介していますので参考にして下さい。
コールセンター業務のサポート・代行
音声の認識ができれば、コールセンター業務も行うことができます。
会話の内容の文字起こしといったサポート業務から顧客の電話対応全般の業務まで幅広い利用が行われています。
文意認識
「形態素解析」というAIの技術を活用することで、文書に書いてある意図を認識することができます。この技術を活用した利用には次のようなものがあります。
不正文書検知
文書に不正な内容が書かれていないか、自動で検出することができます。不正文書検知では次の用途などで利用されています。
- 企業内の文書を調べて不正の可能性を検知する(内部統制)
- Web上の犯罪行為に関する書込みなどの自動検知(犯罪防止)
マーケティング
集計したアンケートの分析やWeb上の投稿などの情報から顧客のニーズの把握などを行うことができます。
検索
検索といえば、「Google」や「Bing」などの検索エンジンが有名ですが、これらもAIを利用しています。Webページの内容と検索意図をできるだけ一致できるようにAIのアルゴリズムを構築しています。
AIを活用した検索技術は、検索エンジン以外でも、大量のマニュアルの中から欲しい情報を検索するなどの多くの用途で利用されています。
異常検知
異常検知はビジネスの分野での利用用途の多いものの1つです。
大きく分けると、通常状態から逸脱した状態を異常と検知するパターンと、異常状態に当てはまるものを検知するパターンがあります。
故障の検知
工場や設備などを各種センサーで監視し、通常と違う動作を検知することで、故障の可能性を認識するといった用途で利用されています。こういった工場を「スマートファクトリ」などと呼ぶこともあります。
不正行為の検知
不正行為の検知はさまざまな場面で利用されています。
- クレジットカードの不正利用の検知
- 株のインサイダー取引の検知
- 社内の情報への不正アクセスの検知
通常とは違った状態を検知することで多くの不正を監視することができます。
分析の利用用途の具体例
分析で行うことは基本的には「予測」です。
AIは多くのデータから精度の高い予測を行うことが得意です。
分析の利用用途としては次のものがあります。
- 売上の需要予測
- 株価や経済指標の予測
- 移動の所要時間の予測
- 製品やインフラの劣化・故障の予測
- 製品品質の不良率の予測
- 製品・サービスの購買や解約の予測
- 疾病の発症の予測
対処(アウトプット)の利用用途の具体例
対処は認識(インプット)したデータを元に予測したら、その結果を元に対処(アウトプット)する必要があります。
予測データをもとに最適な行動を実行したり、適切な制御を行うのが「対処」となります。
対処の利用用途の例としては次のものがあります。
- 在庫の最適化
- 広告の最適化
- キャンペーンの最適化
- 出典の最適化
- 配送ルートの最適化
- 作業の自動化(自動運転など)
- ロボット制御
- Q&Aの自動化
また、表現を生成することも、「対処」と考えることができます。例としては次のようなものがあります。
- 文書の翻訳
- 文書の要約
- 画像生成
- 音声合成
まとめ
今回は主なAIの利用用途をご紹介しました。
あなたのビジネスでもすぐに利用できるものもいくつか会ったのではないでしょうか?
AIを活用した業務改善ができないか考えてみてはいかがでしょうか。
参考文献:人工知能システムのプロジェクトが分かる本 規格・開発かあ運用・保守まで