人工知能(AI)とは?|ディープラーニング・AI効果・AIブーム

人工知能(AI)の定義

最近、人工知能(Artificaial Intelligence)という言葉をよく耳にするようになってきた。

人工知能という言葉は、1956年から使われるようになり、人工知能は現在の3回目のブームが来ている。

人工知能と聞くと、ドラえもんや鉄腕アトムのような人間とコミュニケーションが取れるロボットが思い浮かぶのではないでしょうか?

今回は、『人工知能とは何か?』について説明していきます。

人工知能とはなにか?

人工知能(Artificaial Intelligence)というは言葉は、1956年にアメリカで開催されたダートマス会議で、人工知能研究者のジョン・マッカーシーがはじめて使った言葉である。

ジョン・マッカーシー

ジョン・マッカーシーアメリカのコンピュータ科学者である。1927年生まれで初期の人工知能研究者である。
タイムシェアリングシステムの考案や、プログラム言語「LISP」を開発した。
1952年プリンストン大学で博士号を取得する。
1956年にダートマス会議で『人工知能』という用語を提案する。
1971にはチューリング賞を受賞している。

「人工知能とはなにか?」と明確に回答をするのは困難である。

推論、認識、判断など、人間と同じ知的な処理能力を持つ機会(情報処理システム)であるという点については、多数の専門家・研究者の意見は一致している。

しかし、専門家の間でも共有されている人工知能の明確な定義はありません。

それはなぜか?

「知性」や「知能」自体の定義がないためです。

だから、「人間と同じ知的な処理能力」の解釈が、専門家・研究者の間でも異なってしまいます。

例えば、人工知能に必要なもの下記のような問に対しても専門家・研究者の間で答えは異なります。

  • 右脳と左脳の機能が必要なのか?
  • 感情、心、価値観、パーソナリティは必要なのか?

下図に複数の専門家の人工知能の定義のいくつかを紹介します。

専門家による人工知能の定義(出典:人工知能学会誌)

専門家による人工知能の定義

ご覧のとおり人工知能は人により定義が異なっている状態です。

人工知能の大まかな分類

最近は高度な人工知能を搭載した製品も身近に数多くあります。

iPhoneの「Siri」、Googleが開発したホームオートメーションの「Alexa」、掃除ロボットの「ルンバ」、ソフトバンクが作った「ペッパー」など。

これらの人工知能はどのように分類されるのでしょうか?

人工知能の有名な本「エージェントアプローチ人工知能」(共立出版)では、周囲の状況(入力)によって行動(出力)を変えるエージェント(プログラム)として人工知能を捉えています。

このような観点から人工知能を4つのレベルに分類します。

  • レベル1:制御工学(シンプルな制御プログラム)
  • レベル2:古典的な人工知能
  • レベル3:機械学習を取り入れた人工知能
  • レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能

人工知能の各レベルについて見ていきましょう。

レベル1:シンプルな制御プログラム

レベル1はすべての振る舞いがあらかじめ決められていて、そのとおりに動くだけのプログラムです。

エアコンの温度調節、洗濯機の水量調整、電気シェーバーの深剃り調整などの製品がレベル1に分類されます。

これは制御工学やシステム工学と呼ばれる分野で長年培われた技術で、さまざまな製品で古くから利用されています。

レベル2:古典的な人工知能

掃除ロボットや診断プログラムなど、探索・推論、知識データを利用することで状況に応じて極めて複雑な振る舞いをする製品がレベル2に分類されます。

古典的な人工知能ですが、特定の分野で高い有用性を示し、広く実用化されている技術です。

ディープラーニングにつながる人工知能の研究は、この古典的な人工知能の研究から始まりました。

レベル3:機械学習を取り入れた人工知能

検索エンジンや交通渋滞予測など、非常に多くのサンプルデータをもとに入力と出力の関係を学習した製品がレベル3に分類されます。

機械学習はパターン認識の研究の成果と、ビックデータという大量のサンプルデータを扱える時代になったことにより、ますます発展しています。

古典的な人工知能に属していた製品も、近年は機械学習を取り入れた人工知能に置き換わってきています。

レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能

ディープラーニングはレベル3の機械学習を取り入れた人工知能を発展させたものとなります。

機械学習では、学習対象となるデータのどのような特徴が学習結果に大きく影響するか(これを特微量と呼びます)を知ることが重要です。

例えば、土地の価格の予想をするために学習をする際に、「土地の広さ」という特徴が重要だと分かると効率的に学習ができます。

ディープラーニング以前の機械学習では、これを人が決めて与えていました。

レベル4のディープラーニングを取り入れた人工知能は特微量を自動的に学習するサービスや製品ことになります。

画像認識、音声認識、自動翻訳など、従来コンピュータで実現するのは難しいとされてきた分野で応用が進んでいます。

最近では、ディープラーニングを活用することで非常に難易度の高いゲームで大きな成果をあげています。

「AlphaGo」という囲碁の人工知能が世界トップレベルのプロ棋士を負かしたことが大きな話題となりました。

AI効果

AI効果とは、人工知能で何か新しいことが実現され、その原理が分かってしまうと、「それは単純な自動化であって知能とは関係ない」と結論付ける人間の心理的な効果のことです。

多くの人は人間特有の知能であると思っていたものが機械で実現できてしまうと、「それは知能ではない」と思いたくなります。

時代とともに「人工知能」のイメージが変化してしまうのも、AI効果のためと言われています。

AI効果により人工知能の貢献は過小評価されていると主張するAI研究者もいます。

人工知能とロボットの違い

人工知能というと、ドラえもんのように人とコミュニケーションをとり社会生活をできるロボットを思い浮かべる人も多いと思う。

しかし、人工知能とロボットは異なる研究分野となります。

身体(ハード)の部分がロボットの研究分野で、ロボットの脳(ソフト)の部分が人工知能の研究分野となります。

人工知能の研究とは「考える(知的な処理能力)」という「目に見えないもの」を扱っている学問です。

人工知能とロボットは別の研究分野のための両方の分野に精通している人材が不足しています。

人工知能(ソフト)とロボット(ハード)の研究を掛け合わせることで知能を持ったロボットを開発することが出来ます。

そうなると、産業界の発展(生産性向上)や人材不足の解消など大きな問題を解決できるようになることでしょう。

人工知能研究の歴史

今まで人工知能は3度のブームを迎えています。現在は機械学習・ディープラーニングの時代で第3次AIブームと呼ばれています。

今回は汎用コンピュータの誕生から第3次AIブームまでの歴史を簡単にご紹介します。

世界初の汎用コンピュータ(エニアック)

日本では第二次世界大戦の敗戦直後の1946年にエニアック(ENIAC)という世界初の汎用コンピュータが開発されました。

このコンピュータはアメリカのペンシルバニア大学が真空管を17,468本も使った巨大な電算機です。

エアニックの誕生は、コンピュータが人間の能力を凌駕するという可能性を人類に示したきっかけとなりました。

エアニック

人工知能という言葉の誕生

人工知能という言葉は、1956年にアメリカで開催されたダートマス会議で人工知能研究者のジョン・マッカーシーがはじめて使った言葉です。

ダートマス会議

ダートマス会議(Dartmouth Conference)は、人工知能という学術研究分野を確立した会議の通称である。1956年7月から8月にかけて開催された。当時、ダートマス大学に在籍していたジョン・マッカーシーが主催した会議で、会議のコンセプト自体はマービン・ミンスキー、ネイサン・ロチェスター、クロード・シャノンらと共に構想した。その会議の提案書において、人類史上初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という用語が使われたとされる。

会議は一ヶ月に及ぶもので、基本的にブレインストーミングの場であった。

参加者

  1. ジョン・マッカーシー
  2. マービン・ミンスキー
  3. ネイサン・ロチェスター
  4. クロード・シャノン
  5. レイ・ソロモノフ
  6. オリバー・セルフリッジ
  7. Trenchard More
  8. アーサー・サミュエル
  9. ハーバート・サイモン
  10. アレン・ニューウェル

出典:Wikipedia

ロジック・セオリスト

アレン・ニューウェルとハーバード・サイモンが開発したロジック・セオリストは世界初の人工知能プログラムと言われている。

ダートマス会議の1年前の1955年に開発を着手。ダートマス会議でデモンストレーションをしコンピュータを用いて数学の定理を自動的に証明することができることを示した。

ロジック・セオリストは、「探索としての推論」「ヒューリスティック」「リスト処理」など、その後のAI研究の中核となるいくつかの概念を生み出した。

人工知能研究の3回のブーム

人工知能の研究は「ブーム」と「冬の時代」を何度か繰り返しています。

人工知能研究の歴史

第1次AIブーム(推論・探索の時代):1950年代後半~1960年代

第1次AIブームではコンピュータで「推論」や「探索」をする研究が進みました。

推論や探索では、「トイ・プログラム(おもちゃの問題)」と呼ばれる迷路や数学のと入の証明のような簡単な問題を解くことが出来るようになりました。

しかし、このレベルのAIでは複雑な現実の問題は解けませんでした。その結果、ブームは去り、1970年代はAIの研究は冬の時代となります。

第2次AIブーム(知識の時代):1980年代

第2次AIブームではコンピュータに「知識」を入れると賢くなるという方法が流行りとなりました。

データベースに専門知識を溜め込んだエキスパートシステムと呼ばれる実用的なシステムが多く作られました。

日本では「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが政府手動で行われました。

しかし、知識を蓄積・管理することの大変さが認識されるようになり、1995年頃からAIの研究は再び冬の時代となります。

第3次AIブーム(機械学習・特徴表現学習の時代):2010年~

第3次AIブームではAIが自ら知識を得る機械学習という方法が実用化されました。

機械学習が実用化出来たのはビックデータを扱えるようになったことが大きな要因です。

そして、知識を定義する要素(特徴量をAIが自ら学習するディープラーニング(深層学習)が登場しました。

ディープラーニングによってAIは劇的な発展を遂げました。

例えば、画像認識で人間以上の精度となったり、AlphaGoという囲碁のAIが世界トップレベルの棋士に勝利するようになりました。

また、レイ・カーツワイルのシンギュラリティーに対する懸念などの出来事も重なり、第3次のAIブームは一般の人にも知れ渡るようになりました。

 

シンギュラリティ(技術的特異点)

人工知能自身の「自己フィードバックで改良、高度化した技術や知能」が、「人類に代わって文明の進歩の主役」になる時点の事である。

出典:Wikipedia

まとめ

AIとは何かについて、説明してきました。

AIの定義から、AIという概念が考えられた時から現在に渡る発展の歴史まで見てきました。

次回からはAIを巡る周りの動向について見ていきます。